※追記(2011/12/22)

  • 古い記事だったので読みやすいように手直し。

才能について

初心者の頻出質問として、

  • 「強キャラ使ってるのにXX連敗してきました…。才能ないんですかね?」
  • 「このゲームはセンスがないと勝てないですか?」

というのがある。

こういう質問に共通しているのは、

  • 「『才能』『センス』がなければ強くなれない」

という考え方だ。

しかし、彼らの疑問は才能とかセンスという言葉以前の話である。

プロとアマの違い

ガチな格ゲーマーと同じく、日夜真剣勝負に取り組んでいる人たちは何を考えているのか。

様々な媒体におけるプロスポーツ選手や将棋・囲碁へのインタビューを見ると、

  • どうしてそんなに強く(上手に)なったんですか?
  • 最初から強かったんですか?(上手かったのですか?)

こういう質問がよく出てくる。

つまり、「あなたはどのような理由、経緯で強くなったのか?」という質問だ。

インタビューされた側は、大抵、この質問に対してこう答える。

  • 負けて悔しかったから、勝つのが楽しかったから
  • 最初は負けてばっかりだった、最初は勝っていたけど、壁にぶち当たった

と答える。
どうやら、強い人たちは最初から強かったわけではないようだ。

では、なぜ負けていた人が強くなることができたのか?


強くなった人は、なぜ強くなったのか

動機の違いが成長率の違い?

負けている人が強くなった、上手くなった動機を集めてみると、

  • 負けたことが悔しかった(から、強くなろうとした)
  • 勝つのが楽しかった(から、もっと強くなろうとした)
  • 上手くなるのが楽しかった(から、もっと上手くなろうとした)

の3つがほとんどを占める。
つまり、彼らはこれらを動機として上達していったのである。

だが、ここで「初心者にはこのような動機がない」と考えるのは間違っている。

なぜなら、初心者にも「強くなりたい」「勝ちたい」という動機は存在する。

では、

  • なぜ同じ動機を持っているのにも、強くなる人と強くなれない人に分かれるのか?

その差について述べてみる。

強くなる人、強くなれない人の【決定的な差】

将棋

あの「羽生義治」を破った棋士である「佐藤康光」2冠は、

月刊KING3月号にて「どうすれば将棋に強くなるか?」という質問に対して、こう答えている。

  • 「なぜ負けたのか、その原因を徹底的に考えること」


カーレース

「世界のホンダ」の本田自動車の創業者である「本田宗一郎」は、
レースについての考え方でこう発言している。

  • 「ただ勝てばいいのじゃない。
    勝ったら勝ったで、負けたら負けたで、何が良かったか、悪かったか、
    その原因を追究する。

    レースは興行じゃないし、われわれ技術屋ですからね」(抜粋変形)

これらから考えると、

  • 「『結果を分析し、その原因を考えること』が出来るかどうか

が上達のカギとなるようだ。


負けから学べば、成長率は【負けから学ばない人】の2倍以上

実際の話初心者は「『負け』は結果でしかない」と考えるが、

強くなる人は、

  • 『負け』から学ぶ
  • 『勝ち』からも学ぶ

という考え方をしているのだ。

このことに関しては『才能』『センス』というフレーズは一切関与しない。
単純に、物事に対する考え方・捉え方が違うだけなのだ。

例えば、

  • 成長率の高い人:ミス・失敗を悔いたり、反省して次に活かそうと、積極的に練習する。
  • 成長率の低い人:ミス・失敗を悔いはするものの、次に活かそうとはしない。
    (もしくは、活かそうとする練習の質・量が足りていない)

文章にすれば簡単な違いなのだが、「自分のミスに対して自覚的であるか」が違いとなっている。


具体的な目標を持つことの効果

さらに考えを発展させてみる。

強くなる人の共通点の一つに「明確な目標を持つ」というのがある。
格ゲーに置き換えれば、

  • 特定のコンボを安定して出せるようにする
  • 特定のキャラに勝ちこせるようにする
  • 特定のプレイヤーに勝ち越せるようにする

などが目標として挙げられるだろう。


成長出来ない人の思考

成長出来ない人の共通点は

このコンボを安定して出せない  →  出せないから諦めて妥協しよう
このキャラに勝ちこせない  →  勝ち越せないから諦めよう
このプレイヤーに勝ち越せない  →  勝ち越せないから乱入しない

というような、「諦め」の姿勢が根幹にある。

つまり、結果を真正面から受け止めようとしていないのである。

強い人の思考は、

このコンボを安定して出せない  →  なぜ出せないのか?
このキャラに勝ちこせない  →  勝ち越すにはどうすればいいか?
このプレイヤーに勝ち越せない  →  勝ち越すにはどうすればいいか?

という風に、結果を真正面から受け止めて、どうするかを考えている。

つまり、

  • 失敗・敗北という結果を、原因を究明・対策するための動機として用いる

という違いが確認出来る。

この違いが、同じ時期に始めた人でも上達速度の違いとして現れるわけだ。


まとめ

しかし、実際のところ、「世の中には『センス』『才能』というものが存在する」ということは認めざるを得ない。

だがセンス・才能という耳障りの良い言葉を出来ない理由にする人には、

  • 「『才能』『センス』がなければ強くなれない」と言えるほど、
    質の高い努力を長期間やったのか?」

という言葉を投げ掛けておきたい。

(才能の有無を確認するには100時間、1000時間の壁が存在する。最低でも100時間の練習と実戦をやらねば、その人の才能は判別出来ない)

「努力しても負ける」というのなら、『努力の方法・方向・絶対量は間違っていない』と、どうして断言出来るのだろうか。


次回記事フレーズ

  • 「××って嫌われますか?」
  • 「ハメとか卑怯」
  • 「勝ち挑発」「死体殴り」


参考資料

  • 月刊KING 2008年3月号
    • 廃刊。
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  • 筆者の記憶と経験と気分とテンション