前作、「ストリートファイターIV」では強キャラだったリュウさん。

今作、「スーパーストリートファイターIV」では常識的な強さへ調整されたリュウさん。

調整によって「このキャラで勝てなくなったからキャラ替えした」ってプレイヤーはかなり多いようですが、実際、今回のリュウさんで勝つにはプレイヤーのやり込み・センスが必要な性能だと思います。

しかし、ここで前回の記事での高評価が引っかかります。

海外トッププレイヤーには高評価されているのだけれど、その理由は分からない。

そうすると、

  • 弱体化された(敢えてこう書く)はずなのに、何故こんな高い位置にいるのか?
  • キャラスレやWikiを見ても「センスがないと勝てないキャラ」という評価が多いのだが、
    そもそも、センスがなければ勝てないキャラは、本当に強キャラなのだろうか?

という疑問が浮かび上がってきます。

続きは

  • 「何故リュウで勝つのにセンスが必要なのか?」
  • 「そもそも格闘ゲームのセンスとは?」

について。

強キャラの条件

まず、自分が考える強キャラの条件とは、

  • ローリスクかつヒット時にハイリターンな技を持つ
    (回避されてもスキが少ない、攻撃判定が異様に強い、補正がないのに追撃可能など)
  • 一方的にターンを奪える技がある
    (ガードさせて有利が取れる、反撃を受けない、そこから攻めが開始できる)
  • 起き攻めやn択から大ダメージ+ダウン、もしくは圧倒的有利状況を作れる
  • 一定条件下で莫大なダメージや気絶を叩き出せる

の4つです。

これらの要素は「要素の長所それぞれが、他の要素に連鎖しやすい」という特性を持ちます。

例えば、「ローリスクハイリターンな技」「一方的にターンを奪える技」があれば立ち回りでそれを強気に振っていける(当たっても避けられても損は少ない)し、
さらに「起き攻めやn択から起き攻めやn択から大ダメージ+ダウン、もしくは圧倒的有利状況を作れる」と、「一定条件下で莫大なダメージや気絶を叩き出す」(有利状況で一定条件を満たす)ことも出来る。

つまり、これら4つの要素を持つキャラは

  • 自分の長所を一方的に押しつけやすく、さらに「長所の押しつけ」を継続し続けられる

というサイクルを個性として得ます。

具体例:
  • GUILTY GEAR XX
    • 青リロ:エディ、ロボカイ、ミリア、スレイヤー、紗夢
    • スラッシュ:カイ、ソル
    • AC:スレイヤー、梅喧、ポチョムキン、エディ、テスタメント
  • BLAZBLUE
    • CT:レイチェル、アラクネ、
    • CS:バング、ライチ、
  • ストリートファイターIV
    • リュウ、ザンギエフ、豪鬼、サガット、ルーファス、春麗

リュウさんの評価

さて、じゃあスパ4のリュウについて考えてみます。

  • 長所
    • 波動拳のスキが少なく、牽制として有用
    • 対空昇竜は弱体化したが、きちんと引きつければ落とせる
    • 竜巻はヒットしてダウンが取れる。起き攻めも行ける
    • 目押しコンボは相変わらず安定ダウンが取れて強め
    • 前作から性能やダメージは下がったけれど、セビ滅は出来ます
    • 投げから表裏2択可能、すかし下段も可能
  • 短所
    • 尖った長所を持たない(攻め手の豪鬼、移動投げ+中距離牽制特化のケンという差別化)
      • 正しく言えば、万能≒安定性がリュウの長所と言える。
        ケンは自分より強い近距離キャラが苦手だし、豪鬼は紙装甲がネック。

格闘ゲームにおけるセンスとは?

格ゲー用語としては2種類の意味があります。

  • 相手の動きを察知、読む能力
    • 「あの動きと読みにはセンスがある」
    • 「立ち回りに必要な物は?」「……センス!」
    • 「センスのないぶっ放しだなーこの人」
  • ゲームの上達速度に掛かる補正
    • 「あいつはセンスがあるからどんどん伸びる」
    • 「別ゲーやり込んでたから、センスが出来ているのかも」
    • 「センスがないから上達しないんですかね?」

使われ方としてはこんな感じです。

前者の意味で使われる場合は「ぶっ放し」に近いニュアンスもありますが、むしろ、強いプレイヤーは「相手の動きを推測し、それに合わせようとして技を打つ」という行動をします。

でまあ、それが通る/通らないでセンスの有無を見分けたり、感じたりしますね。

そういう意味では「当たれば読み、外せばぶっぱ」という言い回しは、かなりいい表現だと思います。

で、後者の場合は初級者〜中級者あたりがマイナス思考的に使う、というイメージがありますね。

(なお、腕前ランクは「初心者<初級者<中級者<上級者」という区別をしています。
細かく区切るともっとありますが、それはまた別の記事にて)

では、後者についてもうちょっと詳しく説明していきます。

上達補正としてのセンスって何?

でも少し触れてますが、センスを単純に言えば「理由を見抜く力」ですな。

失敗した理由、成功した理由が分かるなら、
その理由を再現したり改善するだけでプレイヤーは右肩上がりに成功・成長していくわけですね。

もうちょっと突き詰めていけば、

  • 対戦に勝った理由
  • 対戦に負けた理由

なんかも、実感として得ることが出来ます。

(ワールド系プレイヤーに多い「感覚で勝ってる」って答えも一つの答えです。
ただし、それはjustifyであって、answerではないのですが)

でまあ、ちょっと分かりづらい話なので具体例を出します。

「センス」が示すもの

質問でも多い、通常技を目押しで繋ぐコアコパ昇竜について。

コアコパ昇竜が出来るようになるには、まずプレイヤーがコパヒット後の猶予Fをどれだけ認識しているかが一つの目安になります。

コアコパ昇竜が出来ない人は、
コパヒット後の昇竜受付猶予Fを実感/認識してないことが多いです。

小パンが当たった後、

  • 自分がどれだけ先に動けるか
  • 相手はどれだけ食らいモーションのままなのか

を認識しているかどうかが、成功率に関わってきます。

実際、自分が練習してたときやよくある質問を見ると、

  • コア→コパ、コパ→昇竜自体が繋がらない

ってのが主な失敗要因です。

何故繋がらないかと言えば、タイミングが早かったり遅かったりして正しいタイミングに入力できていないから。

正しいタイミングや猶予Fが分かってないのなら、自分の入力タイミングが早いか遅いかすらも判断出来ない。

失敗している理由が分かっていない状態で練習しても、失敗から学ぶことが出来ない。失敗を次の成功に繋げることが出来ないというのは、効率が非常に悪いです。

実際、小パンヒット後の食らいモーションと先に動けるフレームを認識すると、
成功率はかなり上がりました。

なので「センスがある」と言われる人は、この認識能力が発達していると言えます。

(逆に言えば「センスがない」と思っている人は、問題点を発見、認識する能力が未発達だと思います)

センスとリュウの相関関係

話を戻します。

「リュウで勝つのにはセンスが必要」という場合の「センス」は、前者の相手の動きを察知、読む能力の意味で使っています。

で、相手の動きを察知、読む能力をどうやって伸ばすかというと、
「観察」「推測」の2つの行動です。

ちょっと長くなりすぎるので別記事で語りますが、

  • 観察
    • 特定状況下で「複数ある選択肢から何を選んだか」をチェックする
      (決定した事実の確認)
  • 推測
    • 特定状況下で「複数ある選択肢から何を選ぶかを、過去の観察結果を元に予測する
      (将来の予測)

と考えればOKです。

例えば、

  • リュウVS春麗、ウルコンゲージMAX+EXゲージ2つ、お互いに残り体力50
    最終ラウンド、リュウが投げを通して春麗を画面端に追い込んで起き攻め

という状態で出せる選択肢は何か?

  • リュウ側
    • 中足:リーチの長い下段
    • 飛び:中段、着地下段などの択迫り(対空に弱い)
    • 滅波動:削り殺し(鳳扇華割り込みで死ぬ)
    • 波動:削り殺し(鳳扇華割り込みで死ぬ)
    • 波動セビ:削り殺し(鳳扇華割り込みで死ぬ)
    • 弱昇竜:小技、移動投げ狩り
    • 昇竜セビ:小技狩り+ガード後の反撃狙い
    • 竜巻:セビ潰し
    • 投げ:ガード潰し
    • 地上中段:しゃがみガード潰し
    • 中パン:置き技
    • ガード:リバサ警戒(鳳扇華で削り殺される)

という感じ。

他にも選択肢があるだろうけど、とりあえずこれぐらいで。

で、リュウ側のプレイヤーの考えとしては、

  • 「ゲージを吐いて、削り殺しも有用」
  • 「波動拳は鳳扇華で抜けられるのであまり撃ちたくない」
  • 「飛びはEXスピバで落とされやすい」
  • 「というか空投げもあるのであまり飛びたくない」
  • 「鳳扇華は削り殺しもあるので危険」

という風に死ぬ可能性を推測出来る。

で、これらを手がかりにして「相手が何をやってくるか」をやってくるかを推測し、的中させるのがセンスのあるプレイヤーですね。

ここでリュウの評価を思い出してください。

  • 正しく言えば、万能≒安定性がリュウの長所と言える。

と述べました。

つまり、

  • 万能の性能を持つリュウなら、
    相手がどういう行動を取ってくるかを予測していれば対応して勝つことが出来る

ということです。

これが対空に不安を抱えるハカンや剛拳、削り技に乏しいまことやガイなどでは選べる選択肢が少なく、せっかくのチャンスでも見逃さざるを得ない(≒自分が不利な選択肢/読み合いを押しつけられている)場合もあります。

これらのように「どの状況でも読み合いが出来るキャラ」である以上、「リュウで勝つにはセンスが必要」という言葉に対して納得出来ると思います。