• Twitterの登場で、メーカー&クリエーターとユーザーとの距離は大きく縮まりました。
    しかし、ユーザーはやはり消費者であり、メーカー&クリエーターはどこまで行っても生産者です。
    何かあったとき、真っ先に非難・批判されることを忘れては居ないだろうか?
  • そんなわけで、ユーザーによるメーカーへの鉄槌である「署名活動」が起きたゲームをまとめてみました。
    おそらくまだまだ署名が起きているゲームはあるんでしょうが、とりあえず自分が知っている限りの物をまとめました。

AC版GGXX #RELOAD(2003年)

署名までの過程

  • AC版「GUILTY GEAR XXのバージョンアップ版」としてリリースされた「GGXX#RELOAD」だった。しかし、下記の問題点が上がった
  • 特定のキャラクターがあまりにも強化(弱体化)され過ぎている
  • 特定キャラクター同士で対戦するとフリーズを起こす
  • 連続技の途中で処理落ちが起きる
  • ファウストにキャラクター限定の永久連続技が存在する
  • ロボカイにバグ(永久限カイ)が存在する
  • その他諸々(テスタメントのマーキングが付かないなど)

などの問題が発見された。
現在からしてもぶっ壊れた対戦バランスであったGGXXが、新要素を加えてのバージョンアップ版として「さらに面白く対戦出来るぞ!」となるはずが、むしろバグが増えてダメゲーになってしまった。

このため、ゲームセンター側からもユーザー側からも反発の声が生まれ、署名活動が始まることとなった。

対応

  • 「フリーズバグ」という名目ではあるが、改善版#RELOADとして「タイトル画面の#RELOADの文字が蒼くなったバージョン」が開発、店舗へ無償交換された。(通称青リロ)
  • こうした経緯で生まれた青リロは、皮肉なことにユーザーに長く愛されたタイトルとして稼働することとなった。


ソウルキャリバー3(2005年)

署名までの過程

  • 2005年にPS2版が発売。
    しかし「メモリーカードのセーブデータ全てが消える」というとんでもないバグが発覚。
    おまけに問題判明当初、namco側はそのまま誤魔化しきる姿勢を見せた為もユーザーが猛反発。クレーム攻勢が開始される。

対応

  • ゲームディスク交換という対応は見せたものの、公式では未だにバグの存在を認めていない。

PS2版GGXXAC(2007年)

署名過程

GGXXシリーズ最新作アクセントコアの家庭用を、
「完全移植!」と謳って発売したものの、

  • 動作中のフリーズ(ハードへの瞬間負荷が高いと発生)
  • 一部キャラクターの性能が違う
    • ソルのサイドワインダーがダブルクリーンヒットする
      (クリーンヒットポイントがAC版、SLASH版で複合している)
    • ブリジットの3Pボイスが敬意になっている
    • ブリジットの空中N設置が出来ない
  • 特定BGMが発生しない
  • 対戦前の会話が成立していない
    • アクセルVSブリジット戦の掛け合いがブリジット側だけ発生していない
  • アーケード版であった誤字が未修正
  • アーケード版であった誤字が未修正

などの様々な問題点が発売日当日に確認され、
「どこが完全移植だよ!? すざけんな!?」
となった。

しかもこれらは全て、

  • 「ある程度GGXXをやりこんでいるプレイヤーがテストすればすぐ分かるだろ!?」

というレベルの問題であり、アーク側のチェック体勢の甘さ、対応の遅さも含めて問題化された。

対応

「クオリティに満足していただけない」ということで、

  • PS2版GGXXACは追加生産停止。
  • 新たに追加要素や新規要素を加えた「GGXXAC+」を開発、発売。
    • PS2版GGXXAC購入者は安価なアペンド版を導入するだけでGGXXAC+をプレイ可能。

という対応を取った。
行動自体は遅れたものの、結果的にはそれなりに誠実な対応を見せた、と言えるだろう。

PS2版すっごい! アルカナハート2(2009年)

署名までの過程

AC版から比較すると、

  • ローディングが遅い
  • 圧倒的な処理落ち
  • ジャギ(解像度劣化)しまくり

と、事前の宣伝PVから比べても圧倒的にクオリティが低い作品としてリリースされた。
(詳細は[格ゲー]家庭用アルカナハート2、不具合まとめ。を参照)

>既にAC版の時点でPS2の処理能力+メモリ容量では不可能な移植であるというのは見越せたはず。
にも関わらず、移植を決行したことはメーカー側の過失である。
しかし、これは前作家庭用アルカナハート2を購入したユーザーから、
「みんなが持っているPS2版で出してくれ」
という声があったための移植であった。

しかしそれでも宣伝方法に問題があった。
PVではAC版同様の動きを見せていた
・インタビューで
 「アーケードとかなり近い感覚で
  プレイしてもらえるようにはなっています。」
 と述べていた
というのも、ユーザーの怒りにさらに油をぶっかける結果となった。

対応

現在に至るまで対応なし。

PS2での販売を希望したユーザー側にも責任の一端があるとは言え、開発のエコール、販売元のAQインタラクティブの売り方、問題への対応はあまりにもお粗末なものであった。

「ユーザーを謀った」という点が問題視されたのか、家庭用アルカナハート3の移植は「アークシステムワークス」に任されることとなった。

なお、ファミ通レビューは移植完成度については一切触れていない。これもまた、よろしくない話である。

アイドルマスター2(2011年)

署名までの過程

  • 水瀬伊織、三浦あずさ、双海亜美、秋月律子の
    プロデュース完全不可

という人気のあるキャラクターのリストラに加え、

  • 完全な敵役アイドルとして男3名の追加

という誰得な公式テロが発生。

結果、アイマスコミュニティは瓦解の危機に直面している。
署名活動は既に始まっており、下記リンク先で署名が可能となっている。
アイドルマスター2 竜宮小町4人プロデュース不可撤回の嘆願署名 - 署名活動するなら『署名TV』

携帯用:オンライン署名サイト 署名TV

対応

未定。
とは言え、「もしもプロデューサーの765プロ入社が半年遅かったら」というパラレル設定が基礎設定としてある以上、2単体で何かするのは難しいのではなかろうか…?
(おそらくはアペンドやらなにやらを出してくると思われる。思いたい

感想

  • ユーザー側も「何かあったらすぐ署名」という風潮が出来てしまうのはあまり良くないことだが、メーカー側もデバッグやテストプレイをきちんとやってほしいところである。
  • 個人的には、バグが出来てしまう、見つかってしまうのは仕方ないこと。
    問題は、その後の対応を誠実に行えるかが会社の生命線、と述べておく。
  • 署名を行うユーザーは悪意のあるクレーマーではなく、善意のクレーマーである。「善意に対して報えるかどうか」が、ユーザーに愛されるコンテンツかどうかの境界線である。
  • ユーザーからすればDLCはともかく、完全版商法は「ファンを減らすだけの行為」でしかない。
    (それでもちろん喜ぶユーザーも居るのは事実だが)「既存ユーザーの信用を売り渡してその場限りの端金を得る」という売り方は、長期的に見てもマイナスでしかないのだが…。
    今後のゲーム業界は、果たしてどうなっていくのだろうか?