皆様ご存じの通り、今もっとも熱いバトル漫画と言えば「3月のライオン」でしょう。

この漫画は将棋がテーマにしていますが、「真剣に戦う人たちの意気込み・想い」がぶつかり合う対局は格ゲーの対戦と同じく、「絶対に負けたくない」「こいつに勝ちたい」という途方もない執念・エネルギーと化し、お互いに斬り付けあう戦いです。
物語を通じて棋士達が戦う理由を知れば知るほど、その理由と想いがぶつかり合う対局がより眩しく見える。

本当に、熱い漫画です。

さて、勝負をすれば、勝ち負けは必ず発生します。
勝利して笑顔になる人の向こう側には、負けてうなだれる人がいます。
「本気を出して戦えば、負けても悔しくない」なんてのは綺麗事で、
本気を出して戦っても、負ければ悔しいのです。

そして、格ゲー初心者にとって対戦ゲームでの「負け」は、「全て終わり」「勝負したこと自体が無意味」と思えるかもしれません。
では、同じ対戦ゲームである「将棋」でも、「負け」は全て終わりなのでしょうか?


読む前に

ちょっと人物と状況の説明を。

  • 主人公である「桐山零」くんは高校生ながらもプロの将棋指し、つまり「プロ棋士」であり、その実力は折り紙付きです。
  • 彼が「将棋でガチ対戦をしたことがない人」への質疑応答をやっています。


負けると、くるしい。

3月のライオン5 格ゲー1 負け1

対戦に負けると、悔しいのです。そして、勝っている方も苦しいのです。
というのも、将棋はターン制の戦略ゲームなので、負けている方はとにかく追う事だけに集中して読むことが出来ます。が、勝っている方は相手に付け入られるミスをしないように読み続けなければならず、負担が大きいわけです。
勝った方は負担・苦労を勝利という結果で報われますが、負けた方は負担・苦労をしたのに敗北という結果で報われない。
だから、負けると苦しいわけですね。

ちなみにゲームにはRTS(リアルタイムストラテジー)というジャンルがあります。その名の通り、「リアルタイムで進行する戦略ゲーム」であり、みんな大好き「GUILTYGEAR2 OVERTURE」もこのジャンルですね。
対戦ゲームとしては相当面白い部類に入りますが、日本ではちょっとマイナーですね。


練習したのに実戦で動けないのはどうして?

3月のライオン5 格ゲー1 負け2

相手は本の通りには動いてくれない。
「Wikiや攻略サイトをいくら読み込んでも、勝てるようにならない!」という人は、「対戦相手も攻略サイトを読み込んでいる」ということを忘れていることが多いです。

初心者同士の対戦の場合、まずキャラ対策の知識を実戦で考えずに出来るかどうかで勝負が付きます。

「意識すれば出来る」ということを、どれだけ減らせるか。

初心者レベルでの戦いにおいては、これが大きな差となり、ひいては結果に繋がってきます。
スパ4で言えば、

  • 豪鬼のときど式起き攻めを知っているか、対策を知っているか
  • いぶきの手裏剣起き攻めへの対策
  • リュウ相手に詐欺飛びは出来るかどうか
  • フォルテのUC2の発生Fを知っていて、それが確定する状況を知っているか

あたりが「知っておきたい知識」の代表例ですかね。

これらは「知らないと立ち回りが不利になる・ダメージを奪われる機会が増える」という要素です。

桐山くんの答え

3月のライオン5 格ゲー1 桐山2

将棋の「大筋」とは指し方やよく使われる陣形などから生まれる、大まかな流れのことです。格ゲーで言えば、「立ち回り」が近い意味ですかね。
(立ち回り=キャラの得意なこと・長所を相手に押し付け、自分がやりたいことを行うための動き)

でまあ、桐山君の言っていることを格ゲー的に言いかえると、

「当たり前だけど、相手はこっちの対策しているとおりには動いてくれないので、
相手の立ち回りをよく見て注意しつつ、こっちも自分の立ち回りをして進むんです」

という塩梅ですかね。


対策の対策? 対策の対策の対策?

3月のライオン5 格ゲー1 負け3

  • 「『対策の対策』『対策の対策の対策』をしても終わりがないのではないか?」

この疑問はもっともです。

  • 桐山くんの答え

3月のライオン5 格ゲー1 桐山5

ないのかよ!! まあ、実際ないんですが。

どの対人戦ゲームもそうですが、対人戦はプレイヤー自体が成長する以上、キャラ対策も人対策もバージョンアップしていきます。
つまり、対人戦はどこまでやっても終わりがないのです。
しかし、終わりがないということは「永遠(≒長期間)に楽しめる」ということでもありますし、終わりがないこと自体は悪いことではなく、むしろゲームとしての面白さに繋がります。
例えば、トルネコの大冒険・風来のシレンなどのローグライクRPGなんかは、「プレイヤーが成長することで楽しめるゲーム」なので、終わりが無くても十分楽しめます。

(むしろ、終わりがある対戦ゲームとは「絶対に勝てる手法」があるゲームだと思います。そして多分それはクソゲーですね)


負けはどうすればいいの?

3月のライオン5 格ゲー1 負け5

とは言ったものの、負けるとやっぱり凹みます…。しかし、負けたまま何もしなかったら、勝負した意味も価値も0になってしまいます。

大事なことは、「負けたあとに何をするか」です。

将棋の場合、指し手同士で「棋譜を振り返る」という反省会(=感想戦)をする文化があります。そしてこれが出来るからこそ、対戦をすること自体が確実な実力アップに繋がります。

この感想戦という文化は、格ゲープレイヤーにはあまり普及していない文化ですが、スキルアップ・実力養成としては間違いなく伸びる方法なので、実力を付けたい人は身内との対戦や対戦会などでやってみることをオススメします。
もし「やる相手がいない」という場合は、Twitterやmixiなどで対戦相手を募集してみることをオススメします。
(ちなみに、わしのゲーマータグは「kumahana」ですので、興味があればどうぞ)

桐山くんの答え

3月のライオン5 格ゲー1 桐山3

  • プロでも、やはり負けると悔しいのです。

「3月のライオン」という作品には、棋士が負けたあとの心情がキチンと描かれています。

やけ酒をする人、一人で反省会をする人、怒って家族に当たる人、静かに泣く人、様々な人がいます。
「桐山くんは負けた時にどうしたか?」は、ここでは触れません。ぜひ本作品を読んでみてください。


強くなると、悔しくない?

3月のライオン5 格ゲー1 負け4

強くなると、どうなるのか。

ぶっちゃけ、負けると悔しいのは変わりません。

ただ、「対策すれば勝てる見込みは出てくる」ということを経験で知っている以上、初心者の時よりかは心は折れなくなり、タフになれます。

桐山くんの答え

3月のライオン5 格ゲー1 桐山1

3月のライオン5 格ゲー1 桐山6

圧倒的な実力差がある場合は知識差で負けることがありますが、それもまた「知識さえ付ければ勝てるかもしれない」という根拠を得られます。
もちろん、それは可能性の話ですが、しかし負けて悔しくなくなったら、向上心も芽生えません。
向上心がなければ、自分より強い人に勝つ見込みは0のままです。もちろん、

  • 対戦を楽しめればそれで良い
  • 勝ち負けはそこまで重要じゃない

という考え方もありますし、その考え方は否定されるべきものではありません。

しかし一度でも「勝ちたい」「負けたくない」と思った人は、強くなるための練習・考え方を身につけるのが、本当に強くなるための手段です。


おわりに

将棋と格ゲーの共通点はまだまだありますが、知っておくべきなのは「勝っても負けても勉強になる」という部分だと思います。

上達速度は「対戦しても何も得るものは無い」と思って対戦をしない人よりも、「対戦から何か一つでも成長する手がかりを得よう」として対戦をする人の方が必ず早くなります。

また今回の記事を書く際に参考にしたのは以下の作品です。
特に「3月のライオン」に関しては、

  • 5巻までしか出ていない
  • 既に一つのシリーズ・作品(ハチミツとクローバー)を終わらせている人

ということもあって、今からでも追いつきやすい作品となっています。ぜひ手にとって見てください。

3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)
著者:羽海野 チカ
白泉社(2010-11-26)
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どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語
著者:梅田望夫
中央公論新社(2010-11-25)
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自分の頭で考えるということ自分の頭で考えるということ
著者:羽生 善治
大和書房(2010-09-05)
販売元:Amazon.co.jp
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※なお、今回の記事で使用されている漫画は全て「3月のライオン」5巻が出展、引用元であり、著作権法32条「他人の著作物を自分の著作物の中に「引用」することは、法律で認められた正当な権利である」という権利を行使して引用を行っています。また可読性を高めるために若干の編集を行っています。