• 晴れて「ガルパンおじさん」となったので、ちょっとその良さと面白さについて考えてみた。

なぜ「ガルパンはいいぞ」なのか

1 「ガールズ&パンツァー」の魅力とは何か

ストーリーの王道さ
  • 未見者には「女の子にヌルめのミリタリやらせりゃ売れるだろwwww」と思わせる安直な組み合わせに見える。が、その実は「二昔前のスポーツ漫画かよ!」とツッコミたくなるほどの王道展開なストーリー。
    • いわゆる「スポ根」「学園・青春」「家族」などの要素をミックスした設定なのだが、そのバランス取りが非常に上手い。若い女の子主体のアニメではあるが、子供のいる家庭でも鑑賞に耐えられる内容である。パンチラとかないから!
  • 「女の子たちが授業の一環として戦車を操縦して戦う」という「奇をてらった設定だが、その話はあくまで王道」というバランスが不思議な現実感を生み出している。
キャラ描写の巧みさ
  • WS003036
    WS003037
    上記の画像は初期の大洗女子学園(女子校です)の戦車道メンバーである。初期段階でこれだけの人数がいながらも、一人一人の描写は丁寧に行われていく。戦車道はあくまで「学校の中の活動」であり、彼女たちには「学生としての日常」がきちんと存在し、授業や放課後などの1日の流れが描写されている
    そうした「日常がある」という演出が、キャラの存在感に説得力をもたせている。
  • 特に「上手いなあ…」と思わせるのは「よく見ると気が付くネタ」という演出の使い方。
    • WS003130
      WS003131
      例えば、この黒髪の女性は大洗学園のメンバーの一人「五十鈴 華」(いすず はな)さん。彼女は見た目によらず、ご飯を非常によく食べる人なのだが、作中で「よく食べる人だ」といった説明セリフは一切ない。
    • a4b41c0bb06a3b743df186fc681b55d6
      fadb4739d87682eb2083587316628e8f
      2f8ed7ccc63610d1c4c905f6908d7864
      にも関わらず、積み重ねられる描写から「『よく食べる人である』という情報が読み取れる」ということを発見する。こうした「仕込み」を数多く行われていることで、「見るたびに発見が生まれる」という面白さと「まだ気がついていないネタがあるんじゃないか」という期待が生まれている。
      また、キャラ描写の時間を長く取らないことでストーリー展開や戦車のアクションシーンに時間を使え、話のメリハリが上手くつけられてもいる。
強烈なキャラクター
  • また、大洗女子学園以外の学園に所属する生徒も強烈な個性派揃いである。WS003069
    WS003070
    WS003132
    WS003109
    WS003123
    「戦力で劣る大洗が、彼女たちに戦略と戦術、堅いチームワークで挑んでいく」という構図は、まさしく王道のストーリーである。
戦車の激しいアクション
  • WS003021
    WS003066
    WS003081
    WS003133
    WS003134
    「戦車」というものをよく知らない人に「戦車ってこんなに動くものなのか!?」とワクワクさせる演出。
世界観設定

2 「キャラ」と「ストーリー」という両輪

「西住みほ」から見た世界
  • ガルパンは「キャラクターとストーリーの関係性が特に深い」という特徴がある。
    熊本に本拠を構える西住家は戦車道の一流派「西住流」の家元であり、主人公「西住みほ」は西住家の次女である。
    WS003138
    しかし、彼女はとある試合中のトラブルをきっかけに、親元を離れて戦車道のない大洗女子学園へ転校してしまう。しかし、戦車道がないはずの大洗女子学園で戦車道が始まることになり、次第にその流れに巻き込まれていく… というのが1話目の流れである。ここから最終話までは淡々と、しかしダイナミックに話が進んでいく。
  • また、対戦する各学園に所属する一部のキャラクター同士には因縁もある。こうした話は作中で説明されているのだが、これらが全て「物語を進めるエネルギー」となっており、また「キャラクターの魅力」にもなっている。
    つまり、キャラの魅力を語ろうとするとストーリーのネタに触れざるを得ないのだ。
    WS003091
    WS003123
ネタバレは初見の喜びを殺す
  • ガルパンを勧める人は「本編で説明していることを自分で読み解いていってほしい」という想いがある。それはガルパンが「説明はしない。描写はする」という演出が非常に多いがゆえ、「自分なりにこの作品を見て欲しい」という想いから「前知識がない状態でこの作品を見て欲しい」「初見の興奮と喜びをしっかり感じて欲しい」という思いが生まれる。
    しかし、いざ「新規向けにガルパンの魅力を語る」となると、キャラにしろストーリーにしろ、ネタバレに触れてしまって「初見の喜び」を潰してしまう可能性がある。
    • 実際「ネタバレしてほしくないな」というのは中盤あたりから痛感した。「早く話の先を知りたい」というよりも「キャラクターと同じ知識、目線で物語を進めていきたい」という欲望が生まれてくる。
    • 特に1話最後の演出は「事前に語るべきではない」と思う。あれは「この作品はちょっと違うぞ」と思わせるフックであり、巨大な布石でもある。先に知ってしまうと、かなり肩透かしになってしまう。
    • 閑話
      同年に「マッドマックス 怒りのデスロード」という映画がありました。これもガルパンと同じく、「完成度の高さ故にその素晴らしさを言語化するのは難しいが、見た人の多くに素晴らしい感動を与えた作品」なのですが、その感動を示す表現として「マッドマックスやばい」というワードが流行った。
      オタク会話、界隈での「ガルパンはいいぞ」というワードは、こうしたふわっとしたワードが広まりやすい下地があり、その上で非常に視聴者を満足させる試みに満ちた作品であった。だからこそ、作品もワードも流行ったという一面があるのだろう。
「ガルパンはいいぞ」に秘められた優しさ
  • ストーリーが語りにくいなら、キャラクターについて語らざるをえない。しかし、ガルパンはキャラクターとストーリーの関係性が高いので、見ていない人にキャラクターの良さだけを語るのは難しい。
    こうした「キャラとストーリーに触れずに面白さを伝える」という矛盾した前提をどうにかするために、そして「本当に満足度の高い、とても良い作品である」ということをサラリと伝えるのが、「ガルパンはいいぞ」というシンプルにも程があるフレーズなのだ。WS003161

3 今から始める「ガールズ&パンツァー」

  • 「Amazonプライム」では「TV版12話+OVA」が見れる上に買い物とかもサイコーだ。実際超便利。
    • 2016年10月1日現在、配信終了している。シカタナイネ…。
  • 他にも「dアニメストア」、バンダイチャンネルJ:COMオンデマンドビデオパスmilplusU-NEXTアニメ放題でも視聴できるが、OVAが見られない事が多い。レンタルでもよければ、GEOでもTSUTAYAでも今すぐ走るべきなのは確定的に明らか。
    • OVA「これが本当のアンツィオ戦です!」はTV版完走後に見てもらいたい。最終話ネタバレもあるのだが、アンツィオの連中は"非常に濃い”ので途中で見るのはもったいないのである。
      WS003166
      WS003167



  • で、劇場版はTV版+OVA版を見た上で見ていただきたい。何故なら、劇場版はTVの後の話であり、またTV版で語りきれなかったエピソードやつめ込まれたネタなどを全力でぶち込んだのが「超絶娯楽劇場版」だからである。戦車ですごい事するぞ、全員。
  • 映画には音楽やキャラクターの見せ方、アクションを含め、ファンにとっての満足度がとても素晴らしいものとなっている。
    2015年度のアニメ映画で「最大のリピーターを産んだタイトル」と言ってもいいだろう。4DX、行きてえー!
  • ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|イベント上映

オチ

  • ガルパンは、











    とても、











    いいぞ。